「非認知能力」という言葉を聞いたことはありますか?
IQのようにテストで数値化できる“認知能力”とは異なり、非認知能力は、目に見えにくいけれど子どもの将来に深く関わる力です。
実は、療育の中ではこの“非認知能力”を育てる関わりがたくさん行われています。
非認知能力とは?
非認知能力とは、たとえば以下のような力を指します:
- 意欲(やってみようとする気持ち)
- 粘り強さ(最後まであきらめない力)
- 自制心(感情や行動をコントロールする力)
- 協調性(人と関わる力)
- 自己肯定感(自分に対する肯定的な感覚)
これらは学力や進学だけでなく、社会に出て生きていくうえでも非常に重要な力だといわれています。
療育で育つ非認知能力の実例
◾ 自分の気持ちに気づく → 感情調整力
支援の中で「今どんな気持ち?」と問いかけるだけでも、子どもが自己理解を深めるきっかけになります。
◾ 順番を待つ・譲る → 自制心・協調性
ゲームや活動の中で「待つ」「譲る」「役割を果たす」といった経験を積むことは、将来の対人関係に大きく活きます。
◾ できたことを認めてもらう → 自己肯定感
「今日は自分から挨拶できたね」「ここまで一人でできたね」など、小さな成功を支援者が丁寧にフィードバックすることで、子どもの自己評価が育ちます。
非認知能力を育てる関わりの視点
非認知能力は、ワークシートやドリルでは育ちません。
人との関わりの中で、「こうやってみようかな」「これでもいいんだ」と感じる体験の積み重ねが大切です。
つまり、療育の場こそが、子どもの“生きる力”を育む学びの場でもあるのです。
まとめ:「勉強だけじゃない学び」がある
非認知能力はすぐに結果が見えるわけではありません。
でも、時間をかけて育まれたその力は、子どもが困難に出会ったときに“支え”となってくれます。
療育というフィールドには、テストには表れない“本当に大切な学び”があるのです。