「うちの子、やればできるのに…」
そんな声を保護者からよく耳にします。
確かに、子どもたちは“できない”のではなく、“力を引き出せていないだけ”という場面も多くあります。
本記事では、支援現場で見えてきた「子どもの学ぶ力を引き出す関わり方」について具体例を交えて紹介します。
「学びたい気持ち」は誰にでもある
子どもは本来、“知ること”や“できるようになること”に対してポジティブな感情を持っています。
ところが、失敗体験や指摘ばかりされる日々が続くと、「やりたくない」「どうせ無理」と感じてしまうようになります。
まず大切なのは、子どもが安心して学べる関係性をつくること。
そのうえで、「自分にもできそう」「やってみたい」と思えるような関わりを重ねていくことが、学ぶ力を引き出す第一歩です。
実践例①:スモールステップで“できた”を重ねる
たとえば、1枚のプリントを提示する時でも、いきなり全部やらせるのではなく「まずはここだけやってみよう」と区切って提示するだけで、子どもの取り組む姿勢が変わります。
小さな成功体験を繰り返すことで、「やればできるかも」という気持ちが芽生えていきます。
実践例②:選ばせる・認める・振り返る
「どちらのプリントからやる?」と選ばせることで、子どもは主体的に学びに関わることができます。
終わった後には「ここが前より早くできたね」「難しかったけど、最後までやりきったね」と具体的に認めること。
そして、「次はどこを意識してやる?」と一緒に振り返ることで、学びが深まっていきます。
実践例③:学びに“意味”を見出せるようにする
「何のためにやるの?」という疑問は、多くの子が心の中に抱いています。
その問いに答えるために、時には勉強と結びつく“未来の選択肢”の話をしたり、生活の中で知識が活きた体験を共有したりすることも大切です。
まとめ:学びの力は“関わり”で育つ
子どもたちは、関わり方ひとつで大きく変わります。
「学ぶ力を持っていない子」はいません。
いるのは、まだその力を引き出してもらっていないだけの子です。
これからも、一人ひとりのペースや特性に合わせた関わりを通して、“学びの力”をともに育んでいきましょう。