「じっと座っていられない」「板書が追いつかない」「音読が苦手」
そんな悩みを持つ子どもたちは少なくありません。
一見“やる気がない”ように見えても、実は特性に合っていない学習スタイルが原因かもしれません。
今回は、発達特性に応じた学び方の工夫と、現場で効果のあった実践事例をご紹介します。
一人ひとりの“学びやすさ”は違う
学習スタイルとは、「どのような方法・環境なら理解しやすいか」という学びの傾向のことです。
発達特性のある子どもたちは、視覚的な情報が強い子、体を動かしながらでないと集中しにくい子、音の刺激に敏感な子など、感覚や処理の仕方に大きな差があります。
まずは、「この子にとってどういう学び方が“しっくり”くるのか」を観察し、探っていくことが支援の第一歩です。
よくある学習スタイルの工夫例
① 視覚優位の子に
・イラストや図を多用したプリント
・カラフルな付箋やカードを活用
・口頭指示ではなく視覚提示でサポート
② 聴覚優位の子に
・耳で聞きながら学べる音声教材
・一対一でゆっくり説明する時間の確保
・同じ言葉を繰り返すことで記憶に残しやすく
③ 体感覚重視の子に
・マグネットやブロック教材など触って学べるもの
・ホワイトボードに書いて動きながら考える
・立ってOKな環境、クッションやバランスボールの導入
学習スタイルは“変えていい”
「この子は視覚優位だからずっとそれで」と決めつけてしまうのではなく、必要に応じてスタイルを柔軟に調整していくことも大切です。
「今日は集中しづらそうだから、図解で説明しよう」
「この教科は手を動かした方がよさそう」
そんな風に、その日の様子や教科の特性に合わせて対応することで、学びやすさがぐんと上がります。
まとめ:その子に合った“学び方”が見つかると、世界が変わる
学習スタイルを見直すことは、「この子は本当はできるんだ」と気づくきっかけになります。
やり方を変えるだけで、子どもが「わかる!」「できる!」と笑顔になる瞬間が、現場にはたくさんあります。
一人ひとりに合わせた“学びの設計図”をつくるような気持ちで、関わっていきたいですね。