「伝える技術」より「つながる姿勢」
支援の現場において、保護者との連携は避けて通れないテーマです。
ですが、「どう話すか」「何を伝えるか」よりも、私が大切にしていることがあります。
それは、“この人なら安心して話せる”と思ってもらえる関係を築くことです。
不安は“情報”ではなく“温度”でやわらぐ
発達支援の相談では、保護者の方が専門的な言葉やアドバイスを求めてくることもあります。
けれど本当のところ、多くの方が必要としているのは、**「理解してくれる誰かの存在」**だったりします。
たとえばこんな言葉――
「よく見てくれてるんですね、安心しました」
「それって、おうちでも大変だったと思います」
こうした声かけは、情報を伝えるよりも先に、**心をほどく“合鍵”**になります。
面談で伝えるべきは「できること」だけじゃない
もちろん、支援内容や進捗の報告は大切です。
ですが、私はときどき、「できなかったこと」も共有するようにしています。
「今日は計算には集中できませんでしたが、最後まで席に座ってがんばっていました」
「宿題のプリントに“わかんない”って正直に書いていて、私はそれが素敵だと思いました」
保護者にとって大事なのは、**事実そのものより、“我が子をどう見てくれているか”**です。
“チーム”になるための第一歩
支援者と保護者は、決して対立する存在ではありません。
目的は同じ、「子どもを支えること」。
だからこそ、まずは安心して話せる関係づくりから始める。
そのうえで、私たちはチームとして同じゴールに向かっていけるはずです。