発達障害と「自尊心」の関係にもっと目を向けたい

「どうせできない」「また怒られる」——支援の現場で、子どもたちのこんな言葉を聞くことがあります。
この背景にあるのが、“自尊心”の低下です。

発達障害のある子どもたちは、幼い頃から周囲と比べられる機会が多く、自信を失いやすい傾向があります。
「できなかった経験」が積み重なると、挑戦しようとする意欲すら失ってしまいます。

学習支援や行動支援の前に、まず**“自尊心を育てる”という視点が不可欠**です。
それは特別な声かけやごほうびではなく、「自分を認められる経験」を一つずつ積み上げていくこと。

私が実践しているのは、以下の3つのステップです:

  1. 「できたこと」に焦点を当てて振り返る時間をつくる
  2. 努力した過程を言葉にして伝える
  3. うまくいかなかったことを「失敗」ではなく「発見」として捉える

たとえば、プリント学習が苦手な子が1問解けたとき、「1問しかできなかったね」と言うのと、「1問、自分の力で解けたね」と伝えるのとでは、子どもの表情は全く違います。

支援とは、単にスキルを教えることではなく、子どもたちが「自分を嫌いにならずにすむ関わり方」を探ることでもあるのだと感じています。