“できる”より“わかる”を大事にしています
「九九が全部言えます」「漢字テストで100点です」
これはたしかに“できる”ことです。でも、それは本当に“わかっている”状態でしょうか?
学習支援の現場で大切にしているのは、「わかった!」「なるほど!」という実感のある理解を積み重ねることです。
“できる”の奥にある“わかる”を育てることが、学びの根っこになります。
「とりあえず正解」ではなく「納得して正解」へ
子どもたちの中には、暗記力が高くて一時的に正解できてしまう子がいます。
でも、なぜそうなるのかを問うと「なんとなく」「そう習ったから」と返ってくることも。
もちろん、覚えることも大事です。
でも、それが「なるほど!こういうことか」と腑に落ちる体験であることが、学習を前向きにするカギです。
「わかる喜び」は、子どもを前に進める力になる
私たちの教室や放デイでは、たとえばこんなやりとりがあります。
子「どうして引き算で“くり下がり”するの?」
支援者「じゃあ、実際におはじきで試してみようか!」
子「えーっと、10個あるうちの3個を引くと…あっ!わかった!」
この「わかった!」の顔を見る瞬間が、私たちのやりがいでもあります。
そしてこの体験が、その子の「もっと知りたい」「もっとやってみたい」という次の一歩につながっていきます。
支援は“正解”を教えることではなく、“気づき”を支えること
「こうやれば正解になるよ」と教えるのは簡単です。
でも、本当に大切なのは、子どもが自分の頭で考え、発見し、「わかった!」と思えるプロセスを見守ることです。
そのために私たちは、あえてヒントを小出しにしたり、対話を重ねたりして、「わかる」の体験を大切にしています。
“わかる喜び”を積み重ねた先に、“できる”は自然とついてくる。
これが、私たちの学習支援の基本的なスタンスです。